飲食店・店舗でのNFC名刺の活用方法|タッチで予約・Googleの口コミ・Instagram・LINEにつなぐ

こんにちは、Web制作忍者のサンディーです。飲食店や美容室、小売店の方から「うちは名刺交換がほとんどないから、NFC名刺は関係ないかな」と聞かれることがあります。実は逆で、名刺交換の少ない業種ほど、NFC名刺の出番は多いと私は思っています。渡す相手が取引先ではなく、お客様だからです。

この記事では、飲食店・店舗でのNFC名刺(NFCカード)の使い方を、スタッフの名刺として持つ場合と、レジ横やテーブルに置いてお客様にタッチしてもらう場合に分けて整理します。予約・地図・Googleの口コミ・Instagram・LINEの友だち追加へのつなぎ方、効果の測り方、うまくいかないときの対処まで、Web制作会社の立場でまとめました。Googleの口コミ依頼については、Googleが公開しているポリシーの範囲で書いています。

カフェのカウンターでスマートフォンをカードにかざすお客様の手元
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飲食店・店舗でNFC名刺が役に立つ理由

結論から言うと、店舗にとってのNFC名刺は「お客様のスマホに、お店への入口を1回のタッチで渡せる道具」です。名刺交換の道具というより、ショップカードやポップの進化版と考えると使い道が見えてきます。

店舗では「名刺を渡す相手」がお客様になる

会社員の名刺は、取引先と連絡先を交換するためのものです。店舗の場合、連絡先を渡したい相手は目の前のお客様で、渡したいのは電話番号というより「予約ページ」「地図」「Instagram」「LINE」「口コミの投稿画面」です。紙のショップカードだと、お客様が帰ってからURLを打ち込む必要があり、そこで多くの方が止まります。NFCなら、その場でスマホに開いてもらえます。

タッチでできるのは「URLを開くこと」

ここは正確に押さえておきたい点です。NFC名刺のカードに入っているのは、ページのURL(Webアドレス)だけです。お客様がスマホをかざすと、そのURLがスマホに渡り、ブラウザでページが開きます。カード自体に「予約する機能」や「口コミを書く機能」があるわけではなく、できることはすべて、開いた先のページ次第です。

だから、店舗でNFC名刺を活用するときの本当の仕事は、カードを用意することより「かざした先のページに、何をどの順番で置くか」を決めることです。この記事の後半はほぼその話になります。

iPhone・Androidでの反応のしかた

iPhoneは、iPhone XR・XS以降の機種なら、画面がついた状態でスマホの上部をカードに近づけるだけで、画面に通知が出ます。それをタップするとページが開きます。AndroidはNFCの設定がオンになっていれば同じように読み取れますが、かざす位置(背面のどこにアンテナがあるか)が機種によって違います。相手にアプリを入れてもらう必要はどちらもありません。機種ごとの詳しい条件はNFC名刺の仕組みと使い方にまとめています。

項目紙のショップカードQRコード付きカードNFCカード
お客様の動作持ち帰ってURLを入力カメラを起動して読み取るスマホを近づける
ページの更新刷り直しリンク先を直せば済むリンク先を直せば済む
暗い店内影響なし読みにくいことがある影響なし
非対応のスマホなしほぼなし古い機種では読めない
向く置き方持ち帰り用ポスター・メニュー・カードレジ横・テーブル・スタッフの名刺

実務では、NFCカードの券面にQRコードも印刷しておくのが安心です。QRとNFCの両方から同じページが開くようにしておけば、どちらのお客様も取りこぼしません。QRコードの作り方は名刺にQRコードを入れる方法で詳しく書いています。

使い方①|オーナー・店長・スタッフの名刺として持つ

1つ目は、ふつうの名刺としての使い方です。店舗でも、取引先の営業の方、近隣のお店、イベントの主催者、取材の方と名刺を交わす場面はあります。そのときに、連絡先だけでなく「お店そのもの」を渡せるのがNFC名刺のよさです。

店長・オーナーの名刺には「予約」と「地図」を入れる

オーナーや店長の名刺ページには、名前と連絡先に加えて、予約ページへのボタンと、Googleマップで開く地図を置きます。名刺を受け取った方が「今度行ってみよう」と思ったとき、ページを開けばそのまま予約まで進めます。連絡先を保存するボタン(vCard)も置いておくと、相手の電話帳にワンタップで登録してもらえます。

指名のある業種では、スタッフごとのページにする

美容室、ネイル、エステ、整体、パーソナルジムのように「この人にお願いしたい」が成り立つ業種では、スタッフ一人ひとりのページを作る価値があります。顔写真、得意なメニュー、空き状況の確認先、本人のInstagramを1ページにまとめ、施術後にお客様へカードを渡す。次回の予約がその人宛てに入りやすくなります。

退職・異動はページの差し替えで済む

店舗はスタッフの入れ替わりが起きやすい業種です。紙の名刺だと、辞めた方の名刺が残り、新しい方の名刺を刷るまで名刺がない期間ができます。NFC名刺なら、カードはそのままでページの中身を差し替えるだけです。ただし「ページの持ち主がお店であること」が前提です。スタッフ個人のアカウントに紐づく方式だと、退職と同時にページが消えることがあります。

美容室でスタイリストがお客様にカードを手渡している場面
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使い方②|レジ横・テーブル・入口に置く「タッチ型」

2つ目が、店舗ならではの使い方です。カードを人に渡すのではなく、店内に置いておき、お客様にかざしてもらいます。名刺というよりポップに近い使い方ですが、中身は同じNFCカードです。

レジ横|会計の待ち時間にLINEの友だち追加

会計のあいだは、お客様がスマホを手に持っていることが多い時間です。レジ横に「スマホをかざすとLINEの友だち追加ができます」と小さく書いたカードを置いておくと、QRコードを探してもらうより自然に案内できます。開く先は、LINE公式アカウントの友だち追加URLです。

テーブル・入口|メニュー、営業時間、予約状況

飲食店のテーブルに置く場合は、開く先を「紙のメニューに載せきれない情報」にします。写真付きメニュー、アレルギー表示、ドリンクの追加注文の案内、英語メニューなどです。季節で中身が変わっても、ページを直せばテーブルのカードはそのままで済みます。

入口に置くカードは、お店に入る前の方が相手です。営業時間、本日の予約状況、予約ページ、満席のときの待ち時間の目安など、「今入れるか」を判断できる情報を先に置きます。屋外に置くなら、雨と直射日光に耐えるカードやシール型を選びます。

置き方のコツ|金属を避け、かざす場所を示す

NFCは金属の上では読み取りが悪くなります。ステンレスのカウンターやレジ台に直接置くのではなく、木やアクリルのスタンドに立てるか、少し浮かせます。もう1つ大事なのが「ここにかざしてください」の表示です。NFCのマークと一言があるだけで、お客様が迷わなくなります。

使い方③|Googleの口コミをお願いする(ポリシーに沿った形で)

店舗で一番ご相談が多いのが、Googleマップの口コミです。NFCカードから口コミの投稿画面を直接開けるので相性はよいのですが、Googleのルールを守らないとお店側の不利益になるため、ここは丁寧に書きます。

口コミ依頼用のリンクはGoogleビジネスプロフィールで作る

Googleのヘルプ「リンクまたは QR コードを作成してクチコミをリクエストする」によると、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに載るお店の情報を管理する画面)で「クチコミを増やす」を選ぶと、お客様に渡すためのリンクとQRコードが取得できます。NFCカードには、このリンクを書き込みます。お客様がかざすと、お店の口コミ投稿画面がそのまま開きます。

やってはいけないこと|特典と引き換えの依頼、良い口コミだけの依頼

Googleの「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」では、口コミの投稿や否定的な口コミの修正・削除と引き換えに、金銭、割引、無料の商品やサービスといった特典を提供することが禁止されています。あわせて、否定的な口コミの投稿を妨げたり、肯定的な口コミだけを選んで募ったりすることも禁止です。「口コミを書いてくれたらドリンク1杯無料」や「満足した方だけこちらから」という案内は、この禁止事項にあたります。

一方で、口コミの投稿そのものをお願いすることは認められています。Googleのヘルプでも、リンクやQRコードを使って投稿を依頼することが方法として紹介されています。

NFCカードでの自然なお願いのしかた

おすすめは、会計時やお帰りの際に「よろしければ、Googleの口コミで感想を聞かせてください」と一言添えて、レジ横のカードを示す方法です。カードには「感想をお聞かせください」とだけ書き、特典は付けません。良い感想も改善点も、どちらも歓迎している姿勢で案内するのが、ポリシーにもお店の信頼にも合っています。

レストランのレジ横に置かれた小さなカードスタンド
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使い方④|Instagram・LINE公式アカウントへの導線

店舗のSNSは、フォローしてもらうまでが一番の壁です。「Instagramで検索してください」と言っても、店名の表記ゆれで見つからないことがあります。NFCカードなら、プロフィールページを直接開けます。

Instagramは、プロフィールのURLをそのまま入れる

Instagramのプロフィールは、アカウント名を含むURLで開けます。NFCカードにそのURLを書き込むか、かざした先のページにInstagramのボタンを置けば、お客様はフォローボタンを押すだけです。写真が主役の業種(飲食・花・雑貨・ネイル)は、Instagramを一番上に置くと反応がよい傾向があります。

LINEは、友だち追加URLと「追加経路」を使う

LINE公式アカウントの管理画面では、友だち追加用のURLとQRコードを発行できます。LINEヤフーの友だち追加ガイドには、追加経路を設定すると、どの施策から友だちが増えたかを分析画面で計測できることが書かれています。レジ横のカード用にURLを1つ作っておけば、NFCカード経由で何人が追加してくれたかが分かります。

使い方⑤|ショップカード・常連さん・出店で

タッチ型以外にも、店舗ならではの渡し方が3つあります。持ち帰ってもらうショップカード、常連さん向けのカード、出店先に置くカードです。

紙のショップカードの代わりに、NFCカードを持ち帰ってもらう方法です。自宅で「あのお店、また行きたい」と思ったときにかざせば、予約や地図がすぐ出ます。全員に配るとコストがかかるので、初来店の方や予約してくださった方に限って渡すなど、渡す基準を決めておきます。

常連さん向けには、一般のお客様とは別のページにつながるカードを渡す使い方があります。常連さん限定のメニュー、先行予約の案内、お店からのお知らせなどです。「このカードを持っている方だけ」という体験そのものが、お店とのつながりを強くします。

屋外のマルシェや催事では、紙のカードは荷物の中で失われがちです。ブースにNFCカードを1枚置いて「実店舗の場所とInstagramはこちら」と案内すれば、出店が終わったあともつながりが残ります。

かざした先のページに「何を・どの順で」置くか

先に書いたとおり、店舗でのNFC名刺の成否はページで決まります。業種と置き場所ごとに、置くものの例を表にしました。

業種スタッフの名刺ページレジ横テーブル・席入口
飲食店予約・地図・Instagram・連絡先保存LINE友だち追加、または口コミ写真付きメニュー・アレルギー表営業時間・予約・待ち時間
美容室・サロン担当者の紹介・得意メニュー・予約・Instagram次回予約・LINEメニュー表・ヘアカタログ予約・空き状況
小売店店舗紹介・オンラインショップ・連絡先保存LINE・会員登録(商品棚に)商品の説明・使い方動画営業時間・取扱ブランド
教室・ジム講師紹介・体験申込・連絡先保存LINE・次回予約—体験申込・スケジュール

並び順は「今してほしいこと」を一番上に

ページのボタンは、上から順に押されます。予約を増やしたいなら予約を一番上、フォロワーを増やしたいならInstagramを一番上。「とりあえず全部」ではなく、今月いちばんしてほしい行動を決めて、それを先頭にします。

ページの持ち主はお店にしておく

ページのURLがお店(または依頼した制作会社)の管理下にあれば、スタッフが変わっても、サービスの仕様が変わっても、カードを配り直す必要がありません。デジタル名刺サービスを比較するときの見方はデジタル名刺サービスの比較と選び方に、会社として導入するときの進め方は名刺交換のデジタル化で何が変わるかにまとめています。

1枚に全部入れるか、目的ごとに分けるか

よく迷われる点です。私の考えは、スタッフが持つ名刺は「全部入りの1ページ」、店内に置くタッチ型は「1枚に1つの目的」です。レジ横のカードにInstagramも口コミもLINEも並んでいると、お客様はどれも押しません。「ここはLINE」「ここは口コミ」と分けた方が、お客様の動作が1回で終わります。

スマートフォンに表示された店舗のリンクページを見るお客様
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効果の測り方

紙のショップカードは、配ったあと何人が見たか分かりません。NFCカードは、開かれた先がWebページなので数えられます。難しい分析は要りません。

ページが何回開かれたかを数える

かざした先のページにアクセス解析(Googleアナリティクスなど、ページが何回見られたかを記録する仕組み)を入れておけば、月に何回開かれたかが分かります。LINEの友だち追加は、前述の「追加経路」で数えられます。Googleの口コミは、ビジネスプロフィールの画面で件数が見えます。

置き場所ごとにURLを少し変えて区別する

レジ横とテーブルと入口で同じページを開く場合でも、URLの末尾に「?from=register」のような目印(パラメータと呼びます)を付けておくと、どの場所のカードがよく使われたかを分けて数えられます。カードに書き込むURLを変えるだけなので、ページは1つで済みます。

見るのは「ページが開かれた回数」「LINEの追加数」「口コミの件数」の3つで十分です。数字が伸びない場所のカードは、置き方か案内の一言を変えてみる。この繰り返しが、店舗でのNFC活用の改善の全部です。

注意点とうまくいかないときの対処

お客様のスマホで反応しない

原因で多いのは、かざす位置のずれ、厚いスマホケース、AndroidでNFCの設定がオフ、古い機種の3つです。店内のカードには「スマホの上部を近づけてください」の一言と、QRコードの併記をおすすめします。QRがあれば、NFCで読めない方も同じページに行けます。

置き場所の金属も原因になります。金属の上に直接置くと読み取りが不安定になります。スタンドで浮かせるか、金属対応のタグを使ったカードを選びます。導入前に、実際の置き場所でiPhoneとAndroidの両方を試してください。

口コミの依頼に特典を付けない

繰り返しになりますが、ここが店舗で一番起きやすい失敗です。善意で「書いてくれたらサービスします」と言ってしまうと、Googleのポリシー違反になります。お願いは一言だけ、特典なし、良い感想も改善点も歓迎。この3つを、スタッフ全員で共有しておきます。

紙のカードをゼロにしない

スマホを持っていない方、電池が切れている方、NFCが苦手な方もいらっしゃいます。紙のショップカードは少し残しておき、NFCは「もう1つの入口」として足すのが、お客様を選ばない形です。なお、置きっぱなしのカードが持ち去られても、入っているのはURLだけなので、お店の情報が漏れることはありません。予備を1〜2枚用意しておけば十分です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 飲食店で、名刺交換がなくてもNFC名刺を持つ意味はありますか

A. あります。渡す相手が取引先ではなくお客様になるだけです。予約・地図・SNSへの入口を1回のタッチで渡せるので、ショップカードの代わりとして使えます。

Q2. レジ横のカードで、Googleの口コミをお願いしてもよいですか

A. 投稿をお願いすること自体は認められています。ただし、特典と引き換えにしたり、良い口コミだけを選んで依頼したりすることはGoogleのポリシーで禁止されています。

Q3. お客様にアプリを入れてもらう必要はありますか

A. ありません。NFCカードに入っているのはURLなので、スマホのブラウザでページが開きます。iPhone XR・XS以降はかざすだけで通知が出ます。

Q4. 1枚のカードに、口コミとLINEとInstagramを全部入れられますか

A. できます。かざした先のページにボタンを並べれば1枚で済みます。ただし店内に置くタッチ型は、1枚に1つの目的の方がお客様の動作が止まりません。

Q5. どのくらい使われたか分かりますか

A. 分かります。ページのアクセス数、LINEの追加経路、Googleビジネスプロフィールの口コミ件数で、月ごとに確認できます。

あわせて読みたい記事: AndroidでNFC名刺が反応しないとき、iPhoneでNFC名刺が読み取れないときの対処

ミカタ名刺(MIKATA CARD)について

最後に、私たちが作っているNFC名刺を紹介します。

スマホをNFC名刺にかざしてページが開く様子
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ミカタ名刺(MIKATA CARD)は、Web制作会社の株式会社THREE D PLUSが、券面のデザインも、かざした先のページも手がけるNFC名刺です。店舗向けには、スタッフの名刺としてはもちろん、レジ横やテーブルに置くタッチ型としても使えます。かざした先のページには、予約・地図・Instagram・LINE・Googleの口コミへのボタンを、お店の目的に合わせた順番で置けます。相手にアプリを入れてもらう必要はなく、連絡先をワンタップで保存できるボタン(vCard)も用意しています。

「かざすだけで、味方がふえる。」が、このサービスのコピーです。詳しくはサービスページへどうぞ。

店舗でのNFC名刺は、カードより「かざした先に何を置くか」で決まります。今月いちばんしてほしい行動を1つ決めて、それを一番上に。口コミのお願いは特典なしで一言だけ。この2つを守れば、紙のショップカードでは届かなかったところまで、お店の味方がふえていきます。

私はいつも閉店後の静かな店内でカードの読み取りテストをしています。忍者は夜に動くものです。

出典